小腸でのカルシウムの吸収を阻害するもの促進する食べ物 には何がありますか

小腸でのカルシウムの吸収を阻害するもの促進する食べ物 には何がありますか

米連邦政府が発行する「アメリカ人のための食生活の指針2010」では、「栄養は主として食事から摂取すべきである。栄養分を豊富に含む食品(多くは未加工品)には、サプリメントに含まれることの多い必須ビタミンやミネラルだけでなく、食物繊維や体によい天然成分も含有している。・・サプリメントは・・特定の状況下で特定のビタミンやミネラルの摂取量を増加させるには有益と考えられる」と述べている。

カルシウムの過剰によっても、高カルシウム血症、高カルシウム尿症、軟組織の石灰化、泌尿器系結石、前立腺がん、鉄や亜鉛の吸収障害、便秘などの様々な健康障害が起こります。また、亜鉛や鉄などの他のミネラルの吸収も妨げられます。通常の食事からでは過剰症はないと思われますが、カルシウム強化食品やサプリメントのとりすぎには注意が必要です。

〔カルシウムパラドックスと病気の関係〕
腎臓結石は、カルシウムの過剰摂取が原因と思われて来ましたが、実際は逆でカルシウムが不足する事で骨からカルシウムが溶け出し、それが結石を作る事がわかって来ました。この溶け出したカルシウムは、腎臓結石の他にも胆嚢結石・膀胱結石・尿管結石などの原因になる事があります。

血管にカルシウムが増えると血管は硬くなり動脈硬化になります。また血液が通りにくくなるため高血圧症を引き起こし、心筋梗塞や脳梗塞の危険性を高めます。

脳の中にカルシウムが増えると脳細胞の働きが阻害されたり、細胞自体が傷つけられたりするため、記憶障害や認知症、アルツハイマー病などを発症しやすくなります。

軟骨にカルシウムが入り込むと、軟骨は古いゴムのように硬くなります。固くなった軟骨は次第にすり減って行き、骨と骨が直接ぶつかって痛みの出る変形性関節症を引き起こします。

免疫細胞の中にカルシウムが入りこむと、免疫のシステムがうまく働かず、がん細胞などの増殖を抑え込む事も難しくなります。

このように、カルシウム不足は殆どの病気に関連するといっても過言ではありません。
若い方も、高齢者の方も健康で長生きするためにも、カルシウムの不足には十分に気をつけましょう。

骨量の変化表から分かるように、私たちの骨量は18才くらいをピークに年をとる毎に減少してきます。そこで、体がつくられる成長期には、無理なダイエットはせず、まずは骨を丈夫にすることが大切です。

一般に体の機能が低下し、栄養素の貯蔵能力も低くなります。適正なエネルギー、低塩を心がけ、ビタミンやミネラルを多く含む食事をしましょう。老年期になるとカルシウム吸収力の低下、ビタミンDの合成力の低下などから、男女を問わず骨が弱り、骨折しやすくなります。骨折の予防のためにはたんぱく質、カルシウム、ビタミンD、リンを積極的にとり入れるだけでなく、軽い運動や作業をするとよいでしょう。

現在の私たちの食生活は、豊富な食材に恵まれ、多様な味わいの料理を楽しむことができます。食事は家族や親しい人たちとのコミュニケーションの場であり、新しい人との出会いの場にもなります。またお正月や節句など、行事や風土と結びついた文化的な側面もあります。食事にはさまざまな機能や楽しみがありますが、その原点は、生命の維持です。自然界のあらゆる生き物と同じように、人間も食べ物に依存して生きています。従って、食事の内容は身体の機能にさまざまな影響を与えます。食事と身体の関係を、原点にかえって考えてみましょう。

一つは十二指腸から小腸上部において行われる能動輸送であり、もう一つは、小腸下部にかけて行われる拡散輸送である。前者は活性型ビタミンDやカルシウム結合蛋白質が関与し、物質が濃度勾配に逆らって輸送されるものである。したがって、カルシウム摂取量の増加に伴い吸収量は増加するが、通過する時間や距離が短いこともあり、ある量に達すると頭打ちになる。これに対し、拡散輸送は吸収に関わる諸因子のほか、通過時間や距離が長いため、カルシウム摂取量が増加するに従い吸収量は増加する。

カルシウムサプリメントには主に炭酸塩とクエン酸塩の2種類がある。炭酸カルシウムは入手しやすく、安価で使いやすい。炭酸カルシウムは吸収にあたって胃酸に依存するため、食事と一緒に摂取すると最も効率的に吸収されるのである。これに対し、クエン酸カルシウムは食事に関係なく同じように十分吸収される[4]。また、クエン酸カルシウムは無塩酸症、炎症性腸疾患または吸収障害のある人々にも有用 [1]。サプリメントや強化食品に含まれるカルシウムには、グルコン酸カルシウム、乳酸カルシウム、リン酸カルシウムなどがある。クエン酸リンゴ酸カルシウムは一部の強化されたジュースに含まれ、非常に吸収しやすい形のカルシウムである[5]。

複数の研究において、カルシウムの大量摂取と低体重または経時的な体重増加の緩やかさに関連があることが判明している [110-113]。2つの説が提唱されている。1つ目は、カルシウムの大量摂取によって2種のホルモン(甲状腺ホルモンと活性型ビタミンD)の生成量が低下して脂肪細胞中のカルシウム濃度が低下し、脂肪細胞中の脂肪分解が促進され脂肪蓄積が妨げられるというものである[112]。2つ目は、食事またはサプリメントにより摂取されたカルシウムが消化器で少量の食物脂肪と結合しその吸収が妨げられるというものである[112,114,115]。特に乳製品にはカルシウム含有量のみから推測されるよりも大きな影響を体重に及ぼす他の成分が含まれている可能性がある[116-121]。

  カルシウムの腸管における吸収率には、カルシウムの充足の状態や摂取した食物に含まれる栄養素が関与しています。