「貴方」と「貴女」という言葉をご存知でしょうか

「貴方達も今日から中学生ですね」

例文同等や目下の人に対して使う場合・貴方はその件に関しては、どのように考えていますか。・貴方に渡す資料ですが、持ってくるのを忘れたので明日渡しますね。・とても良いとは思うが、貴方の提案にはやや改善が必要な箇所がある。・来月、貴方と打ち合わせをしたいと思っていますが、ご都合はいかがですか。夫婦の間で使う場合・貴方、今日の夕食は何がよろしいですか。・貴方、ご飯にしますか、それともお風呂にしますか。「住んでいる場所や住所」を表す場合・貴方には再来週訪ねる予定なので、よろしくお願いいたします。・明日の午後2時に貴方に参上する予定なので、よろしくお願いいたします。

「貴方」と「貴女」という言葉をご存知でしょうか。「貴方には」「貴女に」などと使います。「貴方」「貴女」は手紙や資料を書くときに使うことが多い表現です。話し言葉として使うこともできるので、知っている人が多いと思います。では、「貴方」と「貴女」は同じように使えるのでしょうか。使うことが多い言葉なので、違いについてはしっかりと知っておきたいですよね。そこで今回は「貴方」と「貴女」の使い分けについて解説していきます。違いを適切に覚えて、上手く使い分けできるようにしましょう!

[代]「あなた」の複数形。「あなたがた」よりも、やや敬意が低い。「貴方達も今日から中学生ですね」

「貴方」は性別を問わず使うことができますが、「貴女」は女性に対して使います。ちなみに、「貴男」という言葉もあります。「貴男」は「あなた」もしくは「きなん」と読み、同等や目上の男性に対して用います。

まず、「貴方」の意味です。「貴方」だけが持つ意味は「二人称の人代名詞」で、「貴女・貴男・彼方」の意味は後にお伝えしますが、「貴方」は「あなた」と読む言葉の中で最も広く用いられる一般的な漢字表記であり、他の「あなた」はもっと限定的な使い方をします。

「二人称の人代名詞」として用いられる「貴方」は、昔は敬意が深く込められた敬称でしたが、今は「君」を「軽く言った尊敬語」として用いられることもあります。尊敬語と言っても「普通は同輩や同輩以下の相手」に使用する「やや気兼ねがある呼称・ある距離を置いて接する場合の呼称」であり、目上に対しては使いません。

平仮名での「あなた」は、丁寧な言葉遣いという印象があっても、敬語としては扱われません。しかしながら、「貴方・貴女・貴男」と表記した場合は敬称(敬意を含む呼称)になります。つまり、「貴女」は相手を呼ぶ敬語として使えるということです。

ただし、使い方を忘れてはなりません。「貴女」は「女性に対する敬称」であるため、間違っても男性に使わないようにしましょう。敬意をしっかりと込める場合には「貴女様」といった形で用いることもありますが、二重敬語なので頻用はしない方が良いでしょう。

しかしながら、敬語における敬称の基本は「◯◯さん」です。名前を知らない場合は、「呼称を使わない」ことが多いです。名前を知っているのであれば「苗字+さん」か「苗字+様」が無難です。また、役職名で呼ぶ場合は「苗字+役職名」の形を使います。「役職名」は敬称なので、「役職名+さん」という二重敬語にならないよう注意してください。

「遠称の指示代名詞」として「あなた」を使う際の漢字表記は、「彼方」です。この場合の意味は「遠くの方や場所をさす(あちらの方・向こう・彼方)」と「今より以前の時を表す語」ですので、「貴女」の意味とは似つきません。

しかしながら「あなた」という言葉が生まれた当初は、「遠くの方や場所をさす」意味で用いられていました。つまり、「遠くの方や場所をさす」の意味が「あなた」の原義です。その原義から「今より以前の時を表す語」の語義が誕生し、江戸中期以降になってから「人代名詞」としての「貴方」で使われるようになったと言われています。

「貴方」は<あなた>と読みます。「貴」は音読みで「キ」、訓読みで「たっとい・とうとい・たっとぶ・とうとぶ」と読みます。「貴」は「大事にすること。相手に対して敬意を示すこと」を意味します。「方」は音読みで「ホウ」、訓読みで「かた・まさに」と読みます。「方」は「方向。ようす」を意味します。「貴方」の意味は、1.同等や目下の人に対して、親しみを込めて呼ぶ語2.夫婦の間で、妻が夫に対して親しみを込めて呼ぶ語です。元々「貴方」は敬意が込められていたため、目上の人に使えましたが、現在では敬意の度合いが低くなり、親しみを込めて用いるようになったので目上の人には使えません。目上の人には「貴方」ではなく、「名前+さん」だったり「役職名」で呼ぶのが良いです。同等や目下の人でも「貴方」だと、距離を感じさせたり、遠慮している印象を与えてしまうので、相手や状況に合わせて使うか判断するようにしましょう。ちなみに、「貴方」よりも砕けた表現には「あんた」があります。「貴方」は<きほう>と読むこともできます。この場合の「貴方」は「相手の住んでいる場所や住所を敬意を持って表す語」として用います。「あなた」と同様に、同等の相手を表す語としても使えます。

「貴女」を「あなた」と読む場合、「貴方・貴男・彼方」と同じ項目になることがあります。その項目の中で使い分け方が記されるという形で、意味の説明がされています。では、その使い分け方はどのようになっているのでしょうか。違いを知るために、「貴女」も含め「貴方・貴男・彼方」についてを確認しておきましょう。

誰かの指し示す道を行くのではなく、自分のリアリティのパイオニア(先駆者)になってください。たとえ周囲からどう見られようと、たとえ周囲の雑音がうるさくても貴方のリアリティは貴方のもので貴方にしか生きられません。そもそも貴方はこの物質界に一時的にやってきて自分の世界を創造しにやってきているのです。