派手な衣装があったら あいつらと着たかったかな……
毎年、参加者のど派手な衣装が全国的な話題になる「北九州市成人式」が1月13日、「北九州メディアドーム」(北九州市小倉北区三萩野3)で行われた。(小倉経済新聞)
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今年の新成人は昨年より274人多い9770人で、成人式には7500人が参加した。数年前からネットを中心に「修羅の国」や「ヤンキー文化の街」などと揶揄される北九州の成人式。ここ数年間の傾向として、女性はほぼ全員が振袖の晴れ着で、一部肩出し衣装の奇抜な姿も見られる。
男性は、参加者の一部が中学校の校区などでグループを組み、名前などを染め抜いた横断幕を持参するど派手な衣装のグループが多いのも特徴となっている。衣装のほとんどは、近くの貸衣裳店「雅(みやび)」(宇佐町1)で作られ、前日の深夜から当日の式直前まで、約1000人の着付けが行われている。八幡東区から参加した男性ペアは「衣装の費用は25万から30万くらい」と話した。
一昨年から始められた式終了後の「まちに感謝!おそうじ大作戦」には、たすき掛けした晴れ着姿の新成人ら160人が参加した。市子ども家庭局青少年育成係担当者によると「(清掃活動によって)新成人の違った側面が報道されるようになった。ど派手な衣装イコール『すさんだ成人式』という図式の報道もまだ一部あるが、礼儀正しい若者も多く、志ある新成人の姿も見て欲しい」と話す。
同級生らとの会話がはずみ騒然とする芝生広場とは対象的に、式典会場内では、「キタキューマン」による抽選会や、今年成人となるソプラノ歌手・浜田侑里さんが歌声を披露したほか、北橋健治北九州市長による祝辞などが粛々と行われていた。
ところで、新成人たちに「雅先生」と慕われている雅さん。ご自身の成人式は?
「親から高い赤い振り袖を買ってもらいましたけどごく普通でした。もう一回するなら派手な友達と派手な衣装にしてみると思いますよ」
ふと、自分も成人式の朝、友達と待ち合わせて会場に向かったことを思い出しました。派手な衣装があったら、あいつらと着たかったかな……。不思議とそんな気もしてきました。
「派手な衣装を推奨しているわけではないし、もっと控えめにしてもいいかとは思いますが、一生に一度の成人式。本人の後悔が残らないようにと思っています」
紅白のド派手衣装路線の元祖は小林幸子さんです。1991年から始まったド派手路線。年々、その衣装はスケールアップしていき、2009年には「メガ幸子」と呼ばれる自分のロボットまで登場しました。
小林幸子さん、美川憲一さんが紅白歌合戦にいない今、ド派手な衣装の継承者として存在感を増している水森かおりさん。「人間ドレス」で、その役目をきっちり果たしてくれました。
店には毎年、先輩たちの派手な衣装を見た後輩たちが「自分たちも」と訪れます。今では毎年の成人式に千着程度を貸し出すそうです。
「先輩のをそのまま着てくれると店としてはありがたいけど、ほぼない。みんなこだわりがあって先輩より派手にという人が多いから」と雅さん。
ここで、一番気になっていたことを、聞いてみました。ど派手な衣装を好む人は、やっぱりヤンキーなんでしょうか……?
「うちに来る人は男女問わず、みんなびっくりするくらい礼儀正しくて、むしろ普段はおとなしいと思いますよ。衣装も翌日にちゃんと返してくれるし。計画を立てて、何度も店とやり取りしないといけないから、しっかりした人じゃないとできないですよ」
「次にムリだと思ったのは虹キングかな」
虹キング――!!! どんな衣装なんでしょう?
虹キングは2008年ごろ、成人式の1年前に早々と店を訪れたそうです。「全身を虹色の7色の羽織はかまにしてほしい」と絵コンテまで持参して。
一方、小林幸子さんのライバルとして、美川憲一さんの存在も見逃せません。1996年には、総額2億円の光ファイバーを使った衣装で、視聴者を驚かせました。1994年には初の直接対決も。歌合戦なのに小林幸子さんとは衣装で競うという、新たなストーリーを生み出しました。
さらに曲の終盤、純白だった衣装は深紅に早変わり。ステージ全体を使ったダイナミックな変化です。司会の有働由美子アナウンサーも、本番では「紅白歌合戦にこれほどふさわしい仕掛けはないですね」と言いたくなりそうな、そんなステージでした。