直山 木綿子それも誤解です

直山 木綿子それも誤解です

直山 木綿子それも誤解です。これまでの外国語活動を否定していません。むしろ、今までの外国語活動の成果と課題を踏まえた改革です。

文科省は9月下旬、18、19年度の移行期間に使う5・6年生の英語教材「We Can!」を公表した。20年度から使う教科書の原型。これまでの「話す」「聞く」に加えて、「読む」「書く」の内容も加わり、過去形や「he」「she」などの三人称にも触れる。これまで中学校で学んでいた内容だ。講演はその直後だっただけに、注目を集めた。

竹園西小学校に,直山木綿子先生をお招きして,つくば市におけるつくばスタイル科外国語活動を視察していただきました。直山先生は,文部科学省初等中等教育局国際教育教科調査官として,全国の学校を数多く訪問され,ご活躍されています。

直山 木綿子それは今後有識者会議や中央教育審議会で議論していくのですが、私自身は「文字指導はしないが、文字は扱いたい」と考えています。『Hi, friends!』を作ったときは、「単語や文が記載されている」ことに対して批判がありました。しかし実際、ファストフード店やコンビニエンスストアの名前など日常、英語を目にすることはとても多い。子どもたちも普段からそれらを目にしています。ですから、「小学生にアルファベット文字を触れさせるのは早い」などとタブー視せず、英語の単語などをビジュアルとしてとらえる機会を多く持ってもよいのではないでしょうか。

例えば、りんごの絵カードには、イラストの下に「apple」と書いてあるものをいつも提示する。発音とつづりの関係を指導するのではなく、子どもが「アップルって、こんなふうに書くんだ」と文字に興味を持たせる程度でよいのです。英語の単語などをビジュアルとしてとらえる時期を経験しておくことが、中学校での「読み・書き」の活動にスムーズにつながるのではないでしょうか。

また、中学校英語につまずいている生徒の共通点に、「単語と単語の間に、スペースを入れずに続けて書いてしまう」ということが挙げられます。いくら口頭で「英語は単語ごとに区切って書くのです」と指導しても、なかなか理解できません。もしも小学生の段階で英語の単語などを自然と目にする機会があれば、感覚的に「英語って、単語で一つの塊なんだ」とわかるでしょうし、何となく文字と音の関係に気付くことも期待されます。

さらに、語順への気付きも促したいと思います。先ほどの中学1年生対象の調査で、多くの生徒が小学校で「英語の文を書くことをしたかった」と答えていますが、英語の文を書けるようになるには、単語を知る、その綴りがわかる、語順がわかることなどが必要です。日本語とずいぶん違うこの語順に生徒は苦労しているようです。そこで、語順への気付きを起こさせるような指導も行いたいと思います。これは、中学校のように構文を教えることとは違います。あくまでも「気付き」です。

ただ、先ほどの文字にしても、語順にしても、散発的な体験では積み上がりません。系統立てて、積み上げていくことが求められます。このように、外国語活動ではできなかった、教科だからこそできる指導法を考えたいと思います。

私も直山調査官のご講演を聞いたことがありますが…ほんとスゴイですよ。

直山 木綿子Tomato.

②地形。鹿児島県の奄美群島の一字姓である直に「山」を追加。推定では1953年の日本復帰時。直ナオ参照。

直山 木綿子様々な教科では、体験からスタートすることが多いようです。例えば、小学1年生の算数は、いきなり「1+1」を勉強するのではなく、数という概念を身につけ、やがておはじきや、積み木を使って「数える」ことを体験しながら学びます。外国語活動導入前の外国語(英語)教育には、この体験が十分設定されていなかったのではないでしょうか。中学1年生で、いきなり単語の読みや綴り、教科書を使って学習が始まることも多かったようです。そこで、小学校外国語活動で、まず音声中心で外国語(英語)を使ったコミュニケーションを体験し、外国語(英語)への興味を持たせ、その結果として、中学校で英語教育をスタートしやすくしたのです。

しかし、体験だけでは高学年、特に6年生には物足りず、先述のような課題が見えてきました。そこで、今回の英語教育改革実施計画には、これらの解決策を盛り込んだのです。具体的には、小学校高学年で外国語を教科とし、体系的に学ぶこととする。散発的な体験ではなく、段階的に積み上げていくということです。そして、体験中心の外国語活動を小学校中学年から始める。

5・6年生を対象にした教科外の「外国語活動」(聞く・話すだけ)は11年度から導入された。小学校でも英語を学ぶようになったが、学校や教員によって取り組みに濃淡があり、直山さんは不満そうだった。

小中高校で「使える英語」を段階的に身に付けていくため、その第一歩となる小学校の英語授業の姿とは? 直山さんの説明をたどってみる。